プロフィール

3歳からスズキ・メソードでヴァイオリンを始める。7歳でスズキ・メソード・ストリング・オーケストラのメンバーに選ばれ、旧東ドイツ演奏旅行に最年少で参加、ベルリン音楽祭に出演。その後も国内外の演奏旅行を経験し、現在の活動の原点を得る。学生時代はスタジオミュージシャンとして音楽番組やCMの収録に参加するなど、演奏活動の幅を広げていく。
大学卒業後、国際スズキ・メソード音楽院に入学し豊田耕兒氏に師事。卒業時に校長表彰を受ける。在学中、奨学生としてクリーブランド音楽院(米国)に留学し、ヴァイオリン演奏コースとスズキ教育法を両専攻。リサイタル開催の傍ら貧困地域の公教育に取り入れられたスズキ・メソードの授業でレッスンを担当するなど研鑽を積む。これまでにヴァイオリンを豊田耕兒、D.セローン、鈴木裕子、山本眞嗣、ヴィオラを桐山建志の各氏に師事。
現在、公益社団法人才能教育研究会 スズキ・メソードのヴァイオリン、ヴィオラの認定指導者。4児の母。鈴木鎮一先生の言葉である「生命への畏敬の念」は公私にわたる指針。

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ごあいさつ 10周年を終えて

スズキ・メソードの指導者認定をいただき、井上クラスが始まってから10年となりました。

日々の積み重ねが大切な人育てとなりますから、10周年は特に意識せず発表会準備を続けていましたが、単に独奏だけでなく、クラスみんなで1つのコンサートを仕上げる気持ちで取り組んでもらいたいと考え、

「弾けるようになってからが本当のお稽古です。」

この鈴木鎮一先生の言葉を実感できる内容を目指すことにしました。

弾ける曲を更によくしたいという感覚を掴むためには教本の中からアンサンブルを仕上げたいと考え、3巻のバッハのガヴォット(管弦楽組曲第3番より、あの有名なアリアの次の曲です)の合奏に取り組みました。

独奏の選曲でも、先に進むよりも今出来ることをより良くするお稽古に導くレッスンを心がけました。

生徒が少なく弾ける曲数にも差があるのでアンサンブルの選曲はいつも難しいのですが、上級生のリーダーシップの勉強にもしたいと考え、ヴィヴァルディの【調和の霊感】作品3 からヴァイオリンとチェロが1人ずつ活躍する9番を選び、クラスの生徒とその弟でチェロをスズキで習う兄弟がソロをする協奏曲を選びました。

弦楽合奏は初めての6巻以上の生徒もtuttiで頑張り、終演後の皆の満足そうな笑顔がとても印象的で活力になります。

初歩のみんなもとても立派に出来て、思い出すだけで笑顔がもらえます。

そして音楽を心から愛し、一生の友にする喜びを体現してくれる大人の生徒さん達。この方達が井上クラスの成長を支え、子ども達の成長を温かく見守ってくれていることを、グループレッスンや弦楽練習でしみじみ感じています。

スズキ・メソード音楽院で豊田耕兒先生にヴァイオリンを教わりたいと松本に来てから、音楽院で鈴木鎮一先生の著書を多く読み、豊田耕兒先生の気品溢れる音を聴き、忍耐強いご指導に触れ、スズキ・メソードの活動に尽力されている現場の先生方の講義を受けることが出来た時間が、私の指導活動の血となり肉となっています。

10年の間に4人の子を授かり、子育てをしながら時に日々の生活に追われ、知の貯金を使い果たしてしまったような虚無感や不安に陥ることもありますが、鈴木先生の説く子どもの能力の無限であること、そして生命への畏敬の念が私の指導意欲を支えてくれました。

これまで支えて下さった皆様に育てられ、これからもすべての子どもたちの幸せな成長を願って、今後も誠実に丁寧に指導を続けていきたいと思います。

2015年11月