今年の発表会は引き続きコロナ禍の開催でした
・上級生の音を聴く
・下級生の良いお手本になる
・みんなで呼吸を合わせて弾く
・お互い聴き合う
グループレッスンではこれをとっても大切に指導しているわけで、「密を避ける」が大前提のコロナ禍では全員揃っての練習が最低限に限られる中、とにかく工夫が求められ、音楽面だけでない総合的な指導力を問われている気がします。
しかも急な感染拡大で予定が狂うのですから。
これまでも全員が発表会で独奏を一つの目標にして取り組むほかに、少人数クラスながら弦楽合奏などに挑戦してきましたが、グループレッスンが十分に開催できない中で、今年は去年に引き続き個人レッスンでも感覚を掴みやすい範囲でと考え、二重奏をいくつか。
目玉は中高生4人でラ・フォリアの二重奏版!
コレルリ作曲ラ・フォリアは様々なバージョンで演奏会や録音で弾かれている曲です。
スズキ・メソードでは教則本6巻に収められていて、それは技巧と美しいハーモニーがいぶし銀の魅力を放つ「鈴木鎮一版」。
卒業検定の曲であり生徒たちの憧れの曲でもあります。
その鈴木版をさらにヴァイオリン二重奏・ヴァイオリン&ヴィオラの二重奏にアレンジしたのが、私の恩師でもある才能教育研究会 芸術監督の豊田耕兒先生。
そんな豊田先生版ラ・フォリア二重奏は、私もコンサートで弾かせてもらってきたとても大切な曲なので、いつか生徒たちが十分な力を付けた時にはクラスとして挑戦したい、と温めていた一曲です。
そして今年、その時が来たのです。
中学生2人がモーツァルトの協奏曲を卒業録音し、才能教育課程以上の生徒が4人になりました。
発表会ラストイヤーになるだろう高校2年生もいる。
挑戦するなら今年だ、今のメンバーならおうちの方の理解も協力も得られるだろうという気持ちで、(4人なら密を避けての練習も可能)という状況も整って、挑戦を決めました。
子育てをしていると進学・進級が一つ区切りになって、習い事や塾の調整を考えるきっかけになりがちです。
でもスズキ・メソードで子育てすることを選んでくれたご家庭は、日々の生活の中にお稽古があって、「お稽古しながら学業と部活の両立が出来る人になってもらいたい、社会人になったらいろんなことを同時進行で取り組まなければいけない日々なのだから」という私の考えにも共感していただいて、長くお稽古に通ってくれています。
とはいえ高3になると12月開催の発表会に出るのはイメージしにくい、ですよね、分かります。
松本は県外の大学に進学する子が多いので、自然と高2の発表会が最後です。
いつも勉強や部活に忙しい中みんなグループレッスンに参加してくれるので、指導者として励まされますし、子どもたちの心の育ちを感じます。
おうちの方たちはそれぞれに大変な時もあるかと思いますが、いつもご理解ご協力ありがとうございます。
ラ・フォリアの演奏が終わるやいなや、いま5巻の生徒達が「凄かった〜」と感激して沢山の拍手を送っている姿を見て、これまでで一番の学びの場を作ってくれた上級生の成長に感動の嵐が。
発表会は子どもたちの頑張りを応援する場、同時にクラスの成長を確認していただける場でもあると思い、これからも日々の積み重ねを大事にしていこうと心に誓うのでした。
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