アンサンブルについて
独奏発表会では生徒それぞれが独奏するのはもちろんですが、指導のこだわりとして、合奏=アンサンブルの曲を毎年プログラムに入れています。
人数の少ないクラスで、高校生から未就学の生徒までいますので、アンサンブルの取り組みの目当てをどこに置くかは毎年悩むところです。
その上、なかなか全員で集まっての練習が難しい今、選曲やレベルの選定は今まで以上に工夫が必要でした。
選曲のレパートリーは指導者の大事なスキル。
これまでの経験や勉強の成果を生かす機会でもあります。
アンサンブルの形態は様々です。
二重奏からヴィオラ・チェロ・コントラバスも入っての弦楽合奏、他にもピアノも一緒に弾く曲かどうかという点は、音楽づくりを経験していく段階の生徒にとって、大きな違いです。
今クラスにいる生徒のレベルや、目標にしたい音楽性の見極めが、もっとも重要な判断材料になりますので、選曲するうえでは幅広い知識が必要となります。
練習するうえでは、複数のパートや楽器が集まって音楽を作っていくので、個人の練習はもちろん、合わせ練習がとても重要です。
相変わらずコロナ禍に振り回されて全員出席が難しい時期もありましたが、昨日のステージ練習では、普段の何倍も響く会場でハーモニーが合わさっていく過程に生徒が反応して変化してく様子に、私はとってもワクワクしました。
一人でおけいこしていては思いも及ばない「音色を合わせる」音の出し方も、練習を重ね音を聴き合っているうちに自然と身に付けていました。
もちろん教則本の曲をみんなで弾くことも、同じように大きな気づきをくれます。
今の生徒たちなら何の曲を斉奏すると成長につながるか、考えて選曲します。
このように、経験を通して生徒が成長する過程は、指導者として大きな楽しみです。